離婚後、子供の親権を持っていない親が子供に会うための権利である「面会交流」と、子供を育てるために必要な費用を支払う「養育費」は、どちらも子供の利益を守るために大切なものです。
しかし、「相手が養育費を払っていない場合、面会交流を拒否できるのか?」という疑問を持つ人は少なくありません。
面会交流とは?
面会交流とは、離婚後に親権を持っていない親が子供と定期的に会ったり、手紙や電話などを通じて交流したりする権利です。
これは、親だけの権利ではなく、子供が両親と関係を持つ権利としても非常に重要視されています。
養育費と面会交流の関係は?
法律上、養育費の支払いと面会交流は全く別の問題として扱われています。
つまり、相手が養育費を払っていないからといって、面会交流を拒否することは基本的にできません。
これは、子供にとって、面会交流が親との絆を深める重要な機会であるためです。
具体的に言うと、たとえ親が養育費を支払っていない場合でも、面会交流を通じて親子の関係を維持することが、子供にとっての利益と考えられています。
なぜ養育費と面会交流は別の問題なのか?
養育費は子供の生活を支えるための経済的な支援であり、面会交流は親と子供の心理的なつながりを保つための機会です。
この二つはどちらも子供の健全な成長にとって重要な役割を果たしていますが、それぞれ独立した権利として扱われます。
そのため、養育費の支払い状況が面会交流に影響を与えることはありません。
面会交流を拒否できる例外
ただし、面会交流を制限または拒否できる場合があります。
それは、親が子供にとって危険な存在である場合や、面会交流が子供の心身に悪影響を与えると認められた場合です。
例えば、親が子供に対して暴力を振るったり、子供を精神的に追い詰めたりする恐れがある場合には、家庭裁判所の判断で面会交流が制限されることがあります。
しかし、養育費の未払いだけを理由に面会交流を拒否することはできません。
養育費が支払われない場合の対処法
養育費が支払われない場合、面会交流を拒否するのではなく、法的手続きを通じて対応することが大切です。
例えば、家庭裁判所に養育費の支払いを求める調停を申し立てたり、既に支払いの約束がある場合には、「強制執行」の手続きを行うことができます。
強制執行とは、相手の給与や財産を差し押さえて、未払いの養育費を回収する手続きです。